海とムーちゃん(記録として、ちょっと長いです)
2017年 06月 15日
超優しい海は、エネルギッシュなムーちゃんに背を向けてしまいました。
その、優しすぎる海を、ムーちゃんが見直した瞬間があります。
私の姿が見えなくなると要求吠えが始まったムーちゃんですがお迎えが来るまではお預かりです。
音を出して注意をそらせるとかという手段をとれる環境ではなかったので、いくつか試した最後に、もう一つだけ試してみようとやってみたことがありました。
これは、犬によっては危険を伴うことなので、あまりやりたくないことなのですが、海の落ち着きとムーちゃんの幼さにかけてみました。
どういうことをしたかというと、一種のショック療法。
とりあえず10分だけ(初めの数分は声の聞こえる範囲に待機していましたが、残りの数分は全く家の前から離れて気配を消しました)。
2頭をフリーの状態で留守番させました。
帰ってみると、2頭並んで玄関にいました。
海はいつもの顔、ムーちゃんはちょっと不安そうな顔で海に寄り添うようにしていました。
これで成功です。
ムーちゃんは、海の落ち着きで不安をかなり解消していたはず。
海に「頼る」ことを学んでくれたのではないかと思います。
2回目は、ムーちゃんをケージに入れて海をフリーの状態にして、30分ほど町内のお仕事をしてきました(今年と来年はお当番なので)。
近所にいるので鳴き声は聞こえます。
2度ほど「キャン!」と聞こえましたが、ひと声ずつで、あとは静かでした。
家に帰ってもすぐに入らずに庭掃除をしていましたが、気配は感じているはずなのに呼び声は聞こえませんでした。
海は穏やかな表情でしたし、ムーちゃんは解放しても、それまでのように海に突っかかっていくことはありませんでした。
3回目、時間を延長して試してみました。
ムーちゃんの要求吠えはありませんでしたが(ご近所さんに確認しました)、海の方が長時間2頭でいるのに耐えられなかったようで、夕食を私の手からでないと食べませんでした。
もちろんムーちゃんはケージに入っていたのですが、私がいないというのでストレスが大きくなったのではないかと思います。
では、離したらどうかと思われるかもしれないのですが、居場所を離したらムーちゃんの方が海を呼ぶのです。
今回のやり方は、うちの子になるならあてはまるやり方でしたし、細心の注意が必要なやり方だと思います。
海がいなくて吠えるなら、どこに行っても吠えると思いますので結局ダメですからね。
それを境に、ムーちゃんの海に対する態度ががらりと変わりました。
一番大きかったのは、海がいくら吠えても屁の河童だったのに、吠えられるとパッと跳び退って伏せるようになりました。
その状態から近づくときはヘコヘコと寄ってくるのです。
海、悪い気はしなかったようです。
明日はお別れの夜はケージを開放したまま寝ました。
朝、目が覚めるとムーちゃんは海とわたしの間に入って、背中を海にぴったりつけてぐっすり寝ていました。
私が動いても海が寝ていたので、それまでのように飛び起きませんでした。
カメラが手元になくて画像がないのがとてもとても残念です。
海は、ムーちゃんが家にいることを承知して、ムーちゃんは家族になろうとしていたんだと思うと今でも涙が出るくらい、胸の奥が温かく、また、胸が痛いです。
海が一緒に並ぶことを嫌がらなくなった記念の画像です。
別れの時、「行くところがなかったら、うちに帰っておいで」、そう言って送り出してやれない辛さは言葉では言い表せません。
短い時間でしたが、人の手は暖かく優しいのだということを感じてくれていたら嬉しい。
年齢障害(私のね)がなければ、海とは良い相棒になれたと思うのに…。
あとを引き受けて下さったのは、ルナの姉妹ティンクちゃんのお家で、犬だけではなく馬にも乗られる方でムーちゃんには良い環境です。
ムリカは、利口な犬だと思いました。
可愛がって家族に迎えて下さったら、きっと素晴らしい家族になれる子。
どうかどうか、良い家族に出会えますように。
ただただ、願うのみです。
6月18日高槻市保健所で譲渡会にデビューします。
会ってみたいと思われる方は是非、会場にお越しください。
詳しくは、アニマルはにまる高槻のホームページをご覧くださいね。