思い出(ユキからのありがとうメール3)

この「ありがとうメール」は、犬雑誌「レトリーバー」にユキを取り上げてくださった方にも送っていましたので、その方が編集者にこのメールを紹介してくださり、その後のユキの報告と言うことで、投稿欄に亡くなるまで掲載されました。
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2004-3-3
ユキとその家族を見守っていてくださる皆様へ

おかわりなくおすごしでしょうか。
いつも、私たちを暖かく見守ってくださり、ありがとうございます。
今月も「ユキからのありがとうメール」を書くことができて本当に嬉しいことです。

桃の節句です。
暖かい春がやってきました。
我が家も三頭の娘たちとともに、お雛祭りを迎えています。
酔ってくだをまかれると困るので白酒抜きです。
でも、特別に雛あられを振る舞ってあげました。
ユキは歯の具合が悪いので、たった五粒の雛あられに悪戦苦闘しながらも、こぼすのを待っている者がいるので、うんとがんばって、こぼすこともなく食べきり、おこぼれを待つために自分の分は「あっ」という間に平らげた、サニーとルナはいつまでもユキの口元を眺めていました。

我が家には、小さな小さなお雛様があります。
私が幼い頃、父が肺結核にかかり、貧しくてお雛様がありませんでした。
桃の節句は、母の手作りのお人形に雛あられが添えられただけの質素なものでした。
母は、それを不憫と思っていたのでしょう。
私が嫁ぐときに、「女の子ができたらきれいなお雛様を買おうね」と楽しそうに話していたものです。
残念ながら、女の子に恵まれず、お雛様を買うことのできなかった母は、縮緬をつまんで作った、手のひらに乗るくらい小さな小さなお雛様をプレゼントしてくれました。
その母は、もういませんが、小さなお雛様は私の宝になりました。
去年はサニーのために飾り、今年は三頭の娘たちの幸せを願って飾りました。
本当は、今日かたづけなければならないのですが、郷里では四月三日を、雛祭りとするところもあります。
だから、あとひと月、かわいい娘たちのために飾っておこうと思います。

その最長老の娘ユキは、今は一日のほとんどを寝て過ごします。
でも先日、盲導犬写真家(今は「引退犬写真家」と申し上げた方がよいのかもしれません)の、Iさんがユキの写真を撮りに来てくださいましたところ、翌日からエライ元気になり日中も起きていることが多くなりました。
いつまでこの状態が続くのかわかりませんが、今度ユキの元気がなくなったら、是非又、写真を写しに来ていただこうと心ひそかに思っています。

春は生きとし生けるものに喜びと希望を運んできてくれます。
花粉も運んできます。
長年花粉症に悩まされていた私は、今年はハーブで見事に乗り切っています。
そのハーブは、ユキの皮膚のケアに使っていたものですが、犬に利くなら人にも利くだろうと試したら、なんと利いたのです!
これも、ユキ効果です。

皆様のご健康を心から願い、次も又、「ユキからのありがとうメール」を出せることを願いつつ


2004-4-10
ユキとその家族を見守ってくださるみなさま
今晩はお変わりありませんか?
四月十日、我が家は待望のお花見に出かけました。
ユキが来て十ヶ月。
越すことができないかもしれないと思われていた夏を乗り切り、季節の変わり目は苦しいかもと言われていた秋、ぐっと冷え込むから無理だろうと言われつつ越した冬。
季節は巡り、迎えた春。言葉に言い表せないくらいの感慨があります。
その感慨を胸に、我が家からそう遠くない荒山(こうぜん)公園にお花見に繰り出しました。
二人と三頭。敷物持ってお水を持って出かけました。
行き交う人は皆興味津々。
色のコントラストでまず目立つ、サニーとルナ。
そしておもむろに視線は台車に乗ったユキに。
「ええ!犬? うっそー!」
「もう歩けないんですか?かわいそうにねぇ」
「事故ですか?」
「いやぁ~!かわいい♪」
「お花見に来たのぉ、よかったねぇ」
「え!十八歳?!(絶句)」
さまざまにかけられる声。
花びらの散り敷く木陰に敷物を敷いてユキは気持ちよさそうにお昼寝。
サニーとルナはお父さんとお散歩。
ユキに手枕をしながら私もちょっとだけお昼寝をしてしまいました。
ユキは呼吸も穏やかにぐっすりと眠っている。
見上げる梅の木には、小さな実が鈴なり。
風に舞う桜の花びら。青い空には飛行機雲。
今年になってめっきり老けてしまったユキが久しぶりに見せてくれた嬉しそうな顔。
夕方になり、家に帰るのが惜しいくらい穏やかで幸せな時間でした。
サニーは相変わらずお姉さん振りを発揮して、ルナが少しでも私達のそばから離れると走って連れ戻しに行き、ルナはサニーが迎えに行く範囲を心得て行動している。
夫と私の間で安心しきっている仔たちを見ていると、世の中に大切なものが自ずと見えてくる。
次にまた「ユキからのありがとうメール」が出せますように。
そう祈らずにはいられない一日でした。
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by yukiba20 | 2008-02-06 08:29 | 盲導犬 引退犬 ボランティア | Comments(8)
Commented by ラブドル at 2008-02-06 10:00 x
読んでいると心と身体がポカポカ。
暖かな涙まで自己主張します。(#^.^#)
世の中の大切なもの、世の中の皆が気づかなければ自然破壊と同じ人間破壊に繋がりますね。すでに始まっているけれど。
Commented by ケリーまま at 2008-02-06 10:45 x
穏やかな春の一日が目に浮かぶようです。
そしてゆきちゃんの「ありがとう!」の言葉も・・・

こうして元気に幸せに過ごせている毎日に、改めて感謝の気持ちです。

Commented by tomo at 2008-02-06 17:34 x
その当時「レトリーバー」への掲載は訓練士のTさんから聞いて立ち読みしたり、購入したりしていました。
ユキちゃんと姉妹だったヨーデルが一足先に旅立ったので、ヨーデルの分も長生きして!といつも思っていたことを思い出しました。
当時のこと、ヨーデルは写真が少し残っているばかりで、何があったかなど書き残していないのです。だからこうやって残してもらっているユキちゃんは幸せ者だなぁって思います。
Commented by ワンコのかあさん at 2008-02-06 20:56 x
ラブドルさん、ユキが繋いでくれた縁が今どんなに大きくなっているかと思うと、1頭の犬たちの力を実感しています。
ユキがいなかったら、ラブドルさんとも会えなかったのではないか・・・ふとそう思いました。
Commented by ワンコのかあさん at 2008-02-06 20:58 x
ケリーままさん、ユキがいたころは、な~んにもせずに犬たちとの生活を楽しんでいたように思います。
ゆるゆると流れる時間の楽しかったこと・・・
Commented by ワンコのかあさん at 2008-02-06 21:03 x
tomoさん、ヨーデルちゃんのことは訓練士のTさんから聞いていました。
ユキの血統は長生きなのだととても嬉しかった・・・
その分、ヨーデルちゃんが亡くなったと聞いたときは悲しくて悲しくて、ユキを抱きしめて泣きました。
「ヨーデルちゃんの分も長生きしてね」
そう繰り返していたのを覚えています。
今頃は虹の橋で仲良く見守ってくれているのでしょうね。
Commented by チャム・リム・Y at 2008-02-07 21:02 x
ユキちゃんの事は『レトリーバー』を読んでいて知りました。
『すごいなぁ~18才だって!』と感動したのを覚えています。
そして・・・寝たきりのユキちゃんを引き取ったかあさん達にも感動しました。
その方々が・・・親戚サンだなんて・・・その頃は思いもよりませんでした。
実際のユキちゃんには会えなかったけど、サニーちゃん・ルナちゃんと仲良く家族として幸せに暮らしていたユキちゃんを思い浮かべる事は出来ます。(私なりにですが・・・)
いつかチャムもそんな時が来るんでしょうね・・・
でも父は『チャムは人(犬?)一倍いろんな事を経験してきたんだから、そうなっても悔いは無いはずや』・・・と言っています。
チャムがそう思ってくれるかは解りませんが(笑)
毎日、充実した楽しい日々を送ってくれたらいいなぁ~。
チャムには色々、気苦労させてしまったのでo(´^`)o
チャムは人の気持ちを読むコなんですよ~
リムやハウルも、そこら辺を見習ってくれないかなぁ(笑)
Commented by ワンコのかあさん at 2008-02-07 21:30 x
チャム・リム・Yさん、ユキはほとんど歩くことなく暮らしていたようで、早くに寝たきりになってしまいましたが、チャムおじさんはウロウロしてるからきっと大丈夫。

チャムさんは気遣いができるワンコさんなのね。
でも、末っ子にはそれは求めない方がいいかも・・・
うちの末っ子はお気楽なもんですわ~(^0^)

そうそう、うちたちの親戚さんはすごいんです!
親元がいちばんすごい!!
ね♪


自称犬小屋?に住む盲導犬の引退犬で天使になっちゃったユキばぁとアリサ、とキャリアチェンジ犬サニー&家庭犬ルナ・海と一緒に暮らすワンコのかあさんです。(絵は小山るみこさんの許可を得て掲載しています。)


by ワンコのかあさん

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